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宇宙へ飛び立つミケ子ちゃん
2017-09-03 06:52:48

 こんばんは、ニュースナインティーンです
ご覧ください、こちらの映像は茄子市にあるNASUロケット発射場の、現在の様子です

 NASU《ナス》

このあと午後9時ちょうどに、新型ロケット、ブラックマンボウが打ち上げられることになっているのです
発射場周辺には、多くの報道陣やロケット愛好家たちが集まっていて、さらには、世界中から29万もの猫たちが駆けつけ、にゃあにゃあと大変騒がしくなっています
これを想定していた茄子市は、全員に行き渡るように十分な数の肉まんを用意して、ちゃんと冷めているのを確かめてから、猫たち1人1人に手渡しています

 猫饅堂の肉まん
 おみやげにもいいにゃ
 すごく喜ばれるにゃあ!


さて、今回打ち上げられるブラックマンボウですが、従来のトビウオ型ロケットとは違い、わずか10日余りで、目的地である動物星雲に到着するということです

 ブラックマンボウ

このブラックマンボウには、今世界で最も注目を集めている猫、鯉野三毛子さんが搭乗されるのです
彼女は猫初の宇宙飛行士であるばかりか、人類も含めたすべての動物の中でただ1人、ロケット操縦のスーパープラチナ免許証を所持されているのです

 スーパープラチナ

また三毛子さんは、鯉野太郎さんと、先月ご結婚されたばかりでもあり、まさにおめでタイこと続きですね
今夜のニュースナインティーンは時間を延長して、ブラックマンボウ発射の瞬間から銀河系を抜けるまでの一部始終を、夜を徹してお伝えいたします
ではここで先日撮影されました三毛子さんへのインタビュー映像を、ご覧いただくことにしましょう

 ・・・・・

えーっと申し訳ありません、映像の準備がまだのようです
あ、ここでいったんCM? はい、CM入れましょ

 ・・・・・

大切な猫ちゃんのお食事には、ぜひ、猫一心不乱、猫饅堂のフィッシュ&ビーフを選んであげてください
世界一の人気者、三毛子さんも召し上がってますから

 歌うミケ子
 フィッシュにゃんビーフ♪
 フィッシュにゃんビーフ♪
 ネコ・いっしんふにゃん♪
 フィッシュ・にゃーんど・ビーフ♪
 フィッシュ&ビーフ

 ・・・・・

えー、お待たせしました、ようやくインタビュー映像の準備が整ったようです
では、ご覧ください(いやあ、三毛子さんってホントかわいいですよね~)

「こんにちは、三毛子さん」
「こんにゃち、にゃあ」
「まずは、太郎さんとのご結婚、おめでとうざいます!」
「ありがと、にゃあ」
 ありがと、にゃあ
「新婚そうそう旦那さんとは、しばらく会えなくなりますね?」
「そうにゃ」
「さびしくは、ないのですか?」
「さびしくにゃい、といったら、それはウソにゃあ」
「ですよねえ」
 それはウソにゃあ
「でも、はにゃれていても、あたしと太郎くんの愛は、変わらにゃいにゃあ」
「愛の力で心と心が固く結ばれているのですねえ」
「そうにゃあ、それに衛星テレビ電話で毎日はにゃせるし、顔も見るにゃあ」
「それもそうですねえ」
「ふんにゃ」
「あでは最後に、世界中の三毛子さんファンへの言葉を、ぜひお願いします」
「みんにゃあ、あたし、宇宙に、いくにゃあ!」
「どうもありがとうございます」
 どういたしにゃして
「どういたしにゃして、にゃあ」

 ・・・・・

午後8時45分になりました、ここで再びNASUロケット発射場からの中継映像です

 i141131

ブラックマンボウの発射準備が完了しているようですねえ
もちろん三毛子さんも、既に搭乗されていて、あとは打ち上げ時刻の午後9時ちょうどになるのを待つのみです
え、またCM? はい、CM入れましょ

 ・・・・・
 ・・・・・
 ・・・・・

午後8時59分45秒になりました
さあ発射の秒読みが始まります

 ――――――――ファイブ
 ――――――――フォー
 ――――――――スリー
 ――――――――ツー
 ――――――――ニャン
 ――――――――発射!

やりましたぁーっ! 打ち上げ成功です!
ブラックマンボウがぁ、今、今まさにぃ、飛び立ちましたっ!

 i141132

まるで赤唐辛子のように真っ赤な炎を噴出しながら、北の夜空へと突き進んでいます
とても力強く飛んでいます、素晴らしい眺めです!
さすがは世界一の猫、いえ宇宙一の生き物、鯉野三毛子さんの華麗なロケット操縦、これこそがスーパープラチナ免許証の腕前だ!

おやおや? ブラックマンボウの推進力が弱くなっているようですねえ
ああっ煙です、機体の前の部分から煙が上がっています、ブラックマンボウから煙が出ています!

 i141207

どうしたというのでしょう?
ブラックマンボウの機体に何か異常があるのでしょうか
ん? あれは何でしょうか?
ブラックマンボウからは離れたところ、西の空に奇怪な生き物らしき者の姿が見えます
複数の触手を使って、何かを捕らえているみたいですねえ

 奇怪な生き物1

ああ、あれは牛です! なんと牛を食べているのです、1頭を丸ごと食べているようです
残りの2頭も続けて食べるつもりなのでしょうか?
ですが、生のままはいけませんよ、特にレバーの部分は危険ですから、あの者は恐らく厚生労働省からのお知らせをちゃんと読んでいないのでしょうねえ
あ、すみません、牛肉好きなもので、ついつい熱が入ってしまいました、それに十分な加熱は、必要なことですし……ていうか、そんなことよりもブラックマンボウです、操縦をされている三毛子さんは無事なのでしょうか? 彼女は、この事態にたった1人で対処できるのでしょうか?

ああっと、ブラックマンボウが! ああああぁーっ炎です、炎が出ています!
燃えています! ブラックマンボウは燃えています、赤く赤く燃えています!
(このままではレッドマンボウになっちゃう、そしたら名前を変えることになるのかしら?)

 i141369

しかしどうしたというのでしょう、あの西の空に浮かぶ、得体の知れない者の仕業なのでしょうか?

 奇怪な生き物2

そして、三毛子さんは、三毛子さんは無事なのでしょうか!
ブラックマンボウは! 三毛子さんは! どうなってしまうのでしょうかぁーっ!

 i141570

ああっ! 三毛子さんがブラックマンボウから飛び降りました
たぶん機体が熱くなっているのでしょう、ブラックマンボウはもう半分くらいレッドマンボウになっていますから
まあ、それは賢明な判断だったといえるでしょう、これこそがスーパープラチナ免許証を所持している三毛子さんの高度な危機管理能力だ!

おっと、ですが下は海です!
しかも、荒くれ者軍団と悪名を轟かせている虹色シャーク7兄弟が、大きく口を開けて待っています、これは危険です

 虹色シャーク七兄弟

三毛子さん、すぐに避難してください! シャークですよ、危ないです、シャークはサメなのですから
早く逃げてください! あああ三毛子さんはぁ、どうなってしまうのでしょうかぁーっ!

えーっと、ここで解説をしてくださる、海産物研究所所長のテッチリさんをご紹介します
テッチリさんは海洋イカ大学のご出身で、宇宙海洋学がご専門とのことです

「テッチリさん、こんばんは」
「今晩は」
「今夜は、どうぞよろしくおねがいします」
「コチ、コチこそ、宜しくお願い申し上げまスルメ」

少しお堅いですねえ、緊張されてるのかも……あ、ていうか三毛子さんです
あああぁーっ! 三毛子さんは、真っ逆さまに落ちています!

 ミケ子ちゃん落下

そしてブラックマンボウは、完全にレッドマンボウになって、同じように落ちて行きます

「それでは早速ですけれど、テッチリさん」
「はい」
「レッドマンボウの落下を、どのように考えればよろしいのでしょう?」
 鉄唐辛子(てっちり)
「そうですね、まあ、あれは海に落ちた方がいいでしょう」
「え、それはどういうことで?」
「レッドマンボウはぁ、えーっと、虹色シャーク7兄弟、ですか?」
「はい」
「その者どもの眼中には、まあ、まずありません」
「はい」
「それに海水で冷やせば、またブラックマンボウに戻るでしょうし」
「なるほどです、さすが宇宙海洋学の専門家ですねえ」
「いやあ、それほどでも、ふふふ、ふぐぅ~」

さて、再び三毛子さんの状況です、どうなっているのでしょうか……

 ミケ子ちゃん落下3

あああ、まだ落ち続けてますねえ、しかも虹色シャーク7兄弟が待ち構えています……

おやおや、何かが飛んできますねえ、あれは何でしょう
あ、もしかして、三毛子さんを救うために白馬に乗って現れた王子様だったりして……

 鳥? 飛行機?

それとも鳥でしょうか、はたまた飛行機?
あ、そうそう、そうでした、こういうときは宇宙海洋学がご専門のテッチリさんに尋ねるのが一番です

「テッチリさん」
「はい」
「あれ、見えますか?」
「はい、見えます」
「何でしょうねえ?」
「何でしょう」

まだ姿が小さいので、さすがに宇宙海洋学者でも分からないみたいです……あでも、そろそろ、飛んでくる者の姿が視認できそうになってきましたよ

 いやあれは!

おっととぉ、あれは厚生労働省からのお知らせを無視して、牛を生で丸ごと食べちゃった無知な生物ですねえ

「見えますかぁ、テッチリさん」
「はい見えます、あれは冥王星人です」
「え、冥王星人なのですか!」
「はい、間違いなく冥王星人です」
「どうして分かるのです?」
「我々と違って、あの者にはエラがありませんので」
「なるほど、エラですかぁ」
「エラです」

ずっと謎だった気味の悪いあの者は、冥王星人だそうです
エラがないのが根拠だとのこと、さすがエラい先生は、見るところが違いますねえ……ていうか、顔の雰囲気が少し変わっていますねえ

 奇怪な生き物(馬面)

「テッチリさん」
「はい」
「あの冥王星人は、顔が少し変化していますが、あれは?」
「恐らく牛を食べたのでしょう」
「ええ、そうです、確かに食べていましたよ」
「そうでしょう、それが美味しかったのです」
「え、それはどういうことで?」
「牛食って馬勝ったのです」
「なるほど、それであんな顔になったのですね!」
「はいそうです、そのはずです」

いやあ驚きました、冥王星人は牛を食べると、馬面になるそうです、それにしても、さすがは宇宙海洋学者、よくご存知ですねえ

「あ、でもあの者は、牛を生で食べたのですが、平気なのでしょうか?」
「はい、問題ありません」
「え、それはどういうことで?」
 鉄唐辛子(てっちり)3
「それはですね、ずばり冥王星人だからです」
「なるほど!」

いやあ、そういうことでしたかぁ、そうすると厚生労働省からのお知らせを無視しても問題なかったのです
そうとは知らずに、無知な生物などと大変失礼な発言をしてしまいました、訂正してお詫びいたします、冥王星人さん先ほどは不適切な発言をしてしまい申し訳ございません!

おっと、今度は虹色シャーク7兄弟が浮かびましたよ!

 あ、七兄弟が!

どうしたのでしょう、これも尋ねてみましょう

「テッチリさん」
「はい」
「7兄弟が浮かんでいるのですが、これは?」
「これも、冥王星人の仕業です」
「えっ、これもですかぁ!」
「これもです」
「驚きですねえ、あ、でもどうして可能なのでしょうか?」
「空間遊泳学における万有引力の法則です」
「そんな技があるのですねえ」
「はい、冥王星人の18番です」
「なるほど!」

いやあ、さすが宇宙海洋学者です、空間遊泳学にもお詳しい!

「ところで、どうして冥王星人は7兄弟を浮かべたのです?」
「食べるためです」
「え、まだ食べるのですか」
「まだまだ食べます」
「またまた驚きですねえ、食いしんボウなのですね?」
「はい、彼は人気番組『食いしんボウ饅ザァイ』にも出演しました」
「なるほど!」

 ・・・・・

 i142355

 ・・・・・

さて、三毛子さんや冥王星人たちは、どうなっているのでしょうかねえ

 冥王星人は?

あ、冥王星人と虹色シャーク7兄弟がいなくなっています!

「テッチリさん、これは?」
「冥王星人は虹色シャーク7兄弟を食べて満腹になったため、冥王星に帰ったのです」
「なるほど!」

と思ったら、またきましたよぉ!

 またきたの?

「テッチリさん、あれは?」
「あれは冥王星人ではありません」
「え、どういうことで?」
「あれは、『顔有りカッコ馬』と呼ばれている馬です」
「なるほど!」

顔だけある馬だから、顔有り(馬)なのですねえ
さすがはテッチリさんです、宇宙馬分類学にもお詳しい!

 後頭部に何かが!

おっとと、顔有り(馬)の背中に……ていうか後頭部に、何かが乗っていますよ
もしかしてあれは、三毛子さんを救うために現れた王子様だったりして……きゃは

あ、顔有り(馬)の後頭部に乗っているのは、三毛子さんの旦那さんの鯉野太郎さんです!
そして太郎さんの隣に、誰かもう1人乗っています

 鯉野兄妹

まさか太郎さんの恋人なのかしら? いえいえ、そんなはずありません、太郎さんには三毛子さんという妻がいるのですから
あ、そうそう、こういう場合のテッチリさんです

「テッチリさん、あれは?」
「あれは冥王星人ではありません」
「ええ、それは分かってますから」
「あれは太郎さんの妹さんです」
「え、太郎さんに妹さんがいるのですか!」
「はい、花枝ちゃんです」
「そうですかぁ……あ、でもまだヒゲは生えてませんねえ」
「確か11歳になったばかりだそうです」
「なるほど!」

おやおや、顔有り(馬)が、太郎さんと花枝ちゃんを残して、1人で帰ろうとしています
これは、どういうことなのでしょう?

 片道切符だった

「テッチリさん、あれは?」
「片道切符だったからです」
「え、片道だけなのですか?」
「はい、昔は往復もあったのですが、今はなくて……」
「なるほど!」

さあ、三毛子さんです、彼女のことが一番大事ですから
ちょうど太郎さんと花枝ちゃんによる三毛子さん救出活動が始まるところのようです、これは見逃せません
きっとスクープ映像になりますよ、あでも、どうやって助けるのかしら?

 ヒゲで支える

おおおっ、ヒゲです! 太郎さんがヒゲを使って、三毛子さんをお姫さまだっこしようとしています
花枝ちゃんも協力して背中で、三毛子さんの頭を一所懸命になって支えています

「テッチリさん、あの方法はどうなのでしょう?」
「はい、あれは妥当な救出方法です」
「なるほど!」

さすが、宇宙海洋学がご専門のテッチリさん、ロケットから脱出した際の危機管理ノウハウを熟知されていますねえ
番組をご覧のみなさまも、ロケットから飛び降りて落下している人を、もし見かけたら、このような救出方法を試みてください

 おっとと、危ない!

うお、おっとと、危ない!
花枝ちゃんがバランスを崩したようですねえ、どうしたというのでしょう?

「テッチリさん、あれは?」
「三毛子さんの頭が重かったのです」
「なるほど!」

いやあ、さすが宇宙海洋学者です、空間重力学にもお詳しい!

 花枝ちゃんにも・・・

おやおや、花枝ちゃんにヒゲが生えました!

「テッチリさん、あれは?」
「そういう年頃なのです」
「なるほど!」

おおっと、ご覧ください!

 おヒゲさまだっこ!?

太郎さんと花枝ちゃんが協力し合って、ヒゲで三毛子さんを支えています
これは感動的です、まさに鯉野兄妹の活躍、もう目が離れません、あいえいえ目が離せません

ラン・ランララ・ランランラン♪
ララララ・ラン・ラン・ラン♪

なぁんて、ちょっと口ずさんじゃった、てへ……あ、それよりも救出活動です

「テッチリさん」
「はい」
「鯉野兄妹のヒゲを使った救出、これをどう評価されますか?」
「これぞまさしく、おヒゲ様だっこ、なんちゃって」
「はあ……」

宇宙海洋学がご専門のテッチリさんにしては、あまり面白くないダジャレでしたねえ、ていうか、生放送なんだから、もう少し考えて発言してほしいです

ええっと、ご覧いただいていますように、三毛子さん救出活動が着々と進んでいます
ちょうど番組を見始めたという人のために、少し説明しておきましょう

本日午後9時に発射したブラックマンボウから火が出て、乗っていた三毛子さんが脱出しました
ところが、ロケット操縦のスーパープラチナ免許証をお持ちとはいえ、さすがの三毛子さんでも空間遊泳はできません
途中に波乱はありましたが、三毛子さんの旦那さんの鯉野太郎さんが、妹の花枝ちゃんと一緒に助けにきてくれたのです

あ、たった今、三毛子さん救出活動が完了したようです

 すごく怖かったにゃあ!

太郎さんと花枝ちゃんが、三毛子さんを励ましています、これは感動的です

 i143421

ああららぁ見いちゃった! 太郎さん、テレビに映っていることも知らずに、あんなことしてる、うふふふ

それにしても、三毛子さんが無事で何よりでした(いやあ、三毛子さんってホントかわいいですよね~、あもちろん花枝ちゃんもね……)


FIN